こんにちは、ビジネスコーチの高木です。
連日の猛暑にも負けずに頑張っている皆さん、お疲れ様です。
さて、今回は「問い」のもつ秘めたエネルギーについて、お話ししたいと思います。
経営者や管理職の皆さんは、部下やチームメンバーのやる気を引き出し、パフォーマンスを最大化するために日々頭を悩ませているのではないでしょうか。
しかし、なかなか思うような結果が出ない、部下が自発的に行動してくれない、といった悩みを抱えている方も多いのが現状です。
実は、この問題を解決する鍵の一つが「問い」なのです。
適切な問いかけによって、相手の観察力を高め、新しい視点や選択肢を発見させ、自発的な行動を促すことができるのです。
ある調査によると、
効果的な質問を投げかけるリーダーのもとでは、チームのエンゲージメントが31%向上し、生産性が17%向上するという結果が出ています(出典:ハーバード・ビジネス・レビュー)。
また、グーグルが行った研究では、「優れたマネージャーの上位10の行動」のうち、「頻繁に質問をする」が第2位にランクインしています(出典:Google re:Work)。
つまり、「問い」の力を活用することで、仕事の成果を大きく変えることができるのです。
私自身、タイ駐在時に「問い」の効果を実感した経験があります。
当時、タイ人のマネージャーがなかなかアイデアを出してくれず、指示待ちの状態が続いていました。
そこで、私は彼に「もしあなたがこのプロジェクトのリーダーだったら、どんなアプローチを取りますか?」と問いかけてみたのです。
すると、彼は自分なりの案を考え始め、次第に自発的に行動するようになっていったのです。
では、効果的な問いかけのポイント10の中の3つを見ていきましょう。
1. 誘導しない:答えを誘導するのではなく、相手に考えさせる問いを投げかけましょう。
例えば、部下が新しいプロジェクトに取り組んでいる際、「このプロジェクトの成功のカギは何だと思いますか?」と質問します。
この問いは、部下自身に成功のための要因を考えさせ、自発的な行動を促します。
一方、「このプロジェクトを成功させるには、A、B、Cが必要だと思いませんか?」と質問すると、答えを誘導してしまい、部下の思考を制限してしまう可能性があります。
2. エッジを効かせる:相手を不安定な状態に移動させ、新しい発想を生み出すきっかけを与えましょう。
例えば、チームミーティングで「もし予算が半分になったら、どのようにこのプロジェクトを進めますか?」と質問します。
この問いは、通常とは異なる制約条件を与えることで、メンバーを不安定な状態に置き、創造的な問題解決を促します。通常の枠組みから外れた質問をすることで、新しいアイデアが生まれる可能性が高まります。
3. 一度に一つだけ:複数の質問を同時に投げかけず、一つずつ明確な問いを提示しましょう。
例えば、部下の業績評価面談で「今期の目標達成に向けて、どのような取り組みをしましたか?」と質問し、「その取り組みの中で、特に効果があったのはどれですか?」と続けます。
一度に複数の質問をすると、部下は何に答えればいいのか迷ってしまい、的確な回答が得られない可能性があります。
一つずつ明確な問いを投げかけることで、部下は焦点を絞って考え、具体的な答えを導き出すことができます。
問いの目的は、
イメージを作ること、資源を探すこと、モデルを見つけること、視点を変えること、他の選択肢を探すこと相手の中に眠っている可能性を引き出し、観察の幅を広げることで、問題解決への糸口を見出すことができるでしょう。
コーネル大学の研究によると、質問をすることで、問題解決能力が向上し、創造性が高まるとされています。
また、質問をされた人は、質問をした人に対して好感度が上がり、協力的になる傾向があるそうです(出典:Journal of Personality and Social Psychology)。
コーチングの第一人者であるマイケル・ブングイは、「質問するということは、相手に可能性を見出してもらうために、扉を開けてあげることである」と述べています。
問いを効果的に使いこなすことで、部下やチームメンバーの能力を最大限に引き出し、組織の生産性を高めることができるのです。
さあ、今日から「問い」のエネルギーを解き放ち、ビジネスの新たな扉を開いていきましょう。
問題解決を引き出す質問の組み立て方、相手の行動を促す「質問」のテクニックについて
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相手の可能性を信じ、適切な問いかけによって、彼らの成長と自発性を促進してください。
そうすることで、あなたのチームは大きく変わり、ビジネスの成功につながっていくはずです。
ビジネスコーチ 髙木明宏