「コントロール感」がモチベーションを変える


目次

はじめに

皆さんは「コントロール感」という言葉を聞いたことがありますか?


私がかつて勤めていた製造会社の工場で、あるとき、ラインの作業者たちのモチベーションが下がっていることに気づきました。

どうしたものかと悩んでいたそのとき、ふと心理学者エレン・ランガーの研究を思い出したのです。

エレン・ランガーの老人ホーム実験

ランガーは、ある老人ホームで興味深い実験を行いました。[1]


施設利用者の半数に、自分の部屋の植物の世話や、映画を見る曜日など、日常の些細な決定権を与えたのです。

もう半数は、今まで通り施設職員に全てをお任せする形でした。

その結果、自分で選択し、行動を決められるグループの方が、より活動的になったというのです。

私が実践したこと

この発見に触発され、私は工場の作業者たちに、できる範囲で仕事の進め方を自分たちで決めてもらうことにしました。

具体的には、ミーティングで自由に意見を出し合い、改善案を提案してもらったのです。
すると、彼らのモチベーションは見る見る高まっていったのです。

人は、自分のことを自分で決められる時、最も力を発揮できるのではないでしょうか。
仕事でも、プライベートでも、「自分には選択権がある」と感じられることが、モチベーションを高め、ひいては心身の健康につながるのです。

コントロール感の重要性

大切なのは、私たち一人ひとりが持つ「コントロール感」。
自分の人生のかじ取りを自分の手に握っているという実感こそが、人を活き活きとさせる源泉なのです。

もちろん、全てを自分の思い通りにできるわけではありません。

しかし、できる範囲のことは自分で決め、自分で動く。そうすることで、ストレスは減り、前向きに生きられるようになるのではないでしょうか。

さて、あなたは日頃、どれくらい「コントロール感」を持てていますか?
仕事や家庭で、自分の意思を反映させるチャンスを逃してはいませんか?

今日から、小さなことでも自分で決めて行動してみましょう。
やがてあなたは、自分の人生の舵を自分で取り戻せているという実感を持てるはずです。

人生の主役はあなた自身。
あなたの心に「コントロール感」という名のエンジンを灯して、理想の人生への航路を進んでいってください。きっと、生き生きとした毎日が待っているはずです。

[1] Langer, E. J., & Rodin, J. (1976). The effects of choice and enhanced personal responsibility for the aged: A field experiment in an institutional setting. Journal of Personality and Social Psychology, 34(2), 191–198.

まとめ

私たち一人ひとりが、自分で物事を決定できる「コントロール感」を持つことは、生き生きとした人生を送る上で非常に大切です。この「コントロール感」は、私たちの心身の健康にも良い影響を与えてくれるのです。

ぜひ、日々の生活の中で、小さなことからでも構いません。自分で選択し、行動する機会を意識的に増やしていただければと思います。

そうすることで、あなた自身が人生の主役として、より充実した日々を過ごせるようになるはずです。

あなたの人生は、かけがえのない素晴らしいものです。「コントロール感」を大切にしながら、自分らしい人生を歩んでいっていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

髙木 明宏のアバター 髙木 明宏 株式会社コーチ&メンタージャパン 代表取締役

製造業で37年間ラインスタッフ、製造管理職、海外拠点代表を経験してきました。
タイ駐在時にコーチングを知り社内へ導入、自らトップダウン型からコーチング型マネージャーを目指し、次世代のリーダー、マネージャーたちの自発性を引き出し主体性を育て、帰国後も組織力強化の為、マネージャークラスへコーチングプログラムを実施してきました。

マネージャー達の行動の変容に手応えを感じ、自ら社会へ向けて発信していき、国内や海外駐在の日本人、リーダー、マネージャー、経営者に向けてコーチングで関わり、世の中のリーダーをより元気に主体性を持たせ日本企業の組織力を高めていくことに関わっていきたいと思います。

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