はじめに
こんにちは、ビジネスコーチの髙木です。
先日、とある会社の研修で、コミュニケーションについてお話しする機会がありました。
参加された方の中に、人間関係でうまくいかないと悩んでいる方がいらっしゃいました。
その方は、会話の中で自分の話ばかりが多くなってしまい、相手の話に耳を傾けることが苦手だと感じていました。
また、自分の関心事ばかりを話題にしてしまうので、周りの人から距離を置かれているように思えると、打ち明けてくださいました。
実は、このようなお悩みは珍しいことではありません。
人間関係にストレスを感じている多くの方に、共通して見られる傾向なのです。
一方で、周りから慕われ、信頼される人というのは、相手の言葉に耳を傾け、相手の立場に立って考えようとします。
相手の関心ごとに興味を示し、うまく質問しながら会話を進めていきます。
そう、人間関係の質を決める鍵は「共感する力」なのです。
「共感力」の高い人と低い人
ここで、共感力の高い人とそうでない人の特徴を比較してみましょう。
共感力の高い人 | 共感力の低い人 |
---|---|
相手の興味や関心事に耳を傾ける | 自分の関心事ばかりに注目する |
相手を中心に対話を進める | 自分の話題でコミュニケーションを支配する |
適切なタイミングで質問し、相手の考えを引き出す | 質問せず、一方的に話し続ける |
相手との信頼関係を築き、良好な関係性を維持する | コミュニケーションがうまくいかず、関係性が希薄になる |
相手の視点に立って物事を見る | 自分の視点からしか物事を捉えない |
相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じる
私がコーチとして大切にしているのは、相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じること。
相手を理解しようとすることで、初めて心が通い合うのです。
もちろん、誰でも最初から上手にできるわけではありません。
私自身、若い頃は自分の考えを一方的に押し付けるばかりで、周りの反応を見ることができませんでした。
転機となったのは、ある上司との出会いでした。
その上司は、どんな相手とも分け隔てなく接していました。
部下の話に真剣に耳を傾け、一人ひとりの可能性を引き出していたのです。
なぜあの人はあんなに人望があるのだろう。
そう疑問に思ったのがきっかけで、共感することの大切さに気づきました。
相手の心に寄り添う”エンパシー”の姿勢
心理学者のアルフレッド・アドラーの言葉を借りれば
「人は誰でも、理解され、受け入れられ、尊重されたいと願っている」のです。
相手のことを知ろうとする姿勢こそが、人と人をつなぐ絆になるのです。
皆さんは、日頃どのようにコミュニケーションを取っていますか?
自分の話ばかりしていませんか?
相手の言葉に耳を澄まし、相手の気持ちを汲み取ろうとしていますか?
人と心を通わせる秘訣は、そこにあります。
一方的に話すのではなく、謙虚な気持ちで相手に接する。
相手の話に興味を持ち、相手の立場で物事を考える。
そうした姿勢を大切にすることで、周囲から信頼され、心地よい人間関係を築くことができるはずです。
ビジネスにおいても、家庭においても、共感する力を育むことが、人生の質を高めるのだと私は確信しています。
それは、イノベーションを生み出す原動力にもなるのです。
相手の心に寄り添う”エンパシー”の姿勢を忘れずに、一歩ずつ、コミュニケーション力を磨いていきましょう。
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