面談に限界を感じていませんか?
こんにちはビジネスコーチに髙木です。
先日、あるIT企業の人事部長からこんな相談を受けました。
「1on1を始めたんですが、なんだか従来の面談と変わらない気がして…」
実は、このようなお悩みをよく耳にします。
確かに、一対一で話をするという形式は同じように見えます。
しかし、本質的な違いを理解せずに行うと、せっかくの機会が形骸化してしまう可能性があります。
1on1と従来の面談には、決定的な3つの違いがあります。
「1on1」と「面談」の違い
それではで整理してみましょう。
項 目 | 一般的な面談 | 1on1ミーティング |
目 的 | ・目標設定や評価 ・計画共有/指示 ・問題解決の話し合い | ・信頼関係構築 ・内発的な動機づけ ・自立や成長のサポート |
タイミング | 半年〜1年に1度 (評価面談の時期) | 1〜2週間に1度 (継続的) |
話す内容 | ・上司が主体 ・仕事について ・How to:どうするか ・Shouid:あるべき姿 | ・相手(本人)が主体 ・相手にとって重要なこと ・Value:何が大事か ・Want to:ありたい姿 |
事例に学ぶ実践の3つポイント
それでは、この3つの違いについて、具体的に見ていきましょう。
1つ目に、「目的」の違いです。
従来の面談は、目標設定や評価、問題解決が主な目的でした。
一方、1on1の本質は、メンバーとの信頼関係構築と、その人の内発的な動機づけにあります。
あるIT企業では、エンジニアの離職率に悩んでいました。
しかし、1on1を導入して3ヶ月後、驚くべき変化が起きました。
「実は転職を考えていたんです。でも、上司と定期的に対話する中で、自分のキャリアについて前向きに考えられるようになりました」という声が聞かれるようになったのです。
2つ目に、「タイミング」の違いです。
半年に一度の面談では、表面的な会話で終わってしまいがちです。
1on1は1〜2週間に1度、継続的に行います。この頻度が、実は非常に重要なのです。
「最初は話す内容に困りました」という声もよく聞きます。
しかし、継続することで、少しずつ本音の会話が生まれてきます。
信頼関係は、コツコツと積み重ねる中でこそ築かれていくものなのです。
そして3つ目に、最も重要な「話す内容」の違いです。
従来の面談では、上司が主体となって、How to(どうするか)やShould(すべきこと)を話すことが中心でした。
しかし、1on1では、メンバー自身が主体となって、Value(何が大事か)やWant to(ありたい姿)を語る場となります。
すぐにできる1on1の始め方
ここで大切なことは、実はテクニックなどの「やり方」ではなく、「あり方」なのです。
上司の役割は、答えを出すことではなく、メンバーの思いに耳を傾け、その人らしい答えを見つけるサポートをすることにあります。
ある企業では、新入社員との1on1で、技術的な指導ではなく、「なぜエンジニアを目指したのか」「どんなサービスを作りたいのか」といった対話を重ねました。
その結果、チーム全体のモチベーションが高まり、自発的な改善提案が次々と生まれていったそうです。
今、経営環境が目まぐるしく変化する中、組織に求められているのは、一人ひとりが主体的に考え、行動できる文化づくりです。
そのためには、上司とメンバーの間に、本質的な対話が必要不可欠です。
あなたの組織では、どんな対話が行われていますか?
明日から始められる1on1の第一歩は、実は単純です。
メンバーの話に、評価や判断を差し挟まず、ただ純粋に耳を傾けることから始めてみてください。
その一歩が、必ずや組織を変える大きな一歩となるはずです。
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