はじめに
こんにちは、ビジネスコーチの髙木明宏です。
前回のコラムでは、「承認」の大切さについてお話ししました。
今回は、さらに一歩踏み込んで「行動承認」について解説していきます。
行動承認とは
アクノレッジメントのタイプは大きく分けて4つに分けられます。
「存在承認」「行動承認」「成果承認」「成長承認」
この「行動承認」とは、相手の望ましい行動や、将来の成果につながるような行動に着目し、それを具体的に伝えることです。
相手の些細な行動の変化をキャッチし、「あなたのこういう行動が良かった」とフィードバックすることで、相手は自分の成長の方向性を意識できるようになります。
例えば、普段は控えめな部下が会議で積極的に発言したとします。
その場で「今日は良い提案をしてくれてありがとう。あなたの発言で議論が深まったよ」
と伝えることで、部下は自分の行動の意味を理解し、次もチャレンジしようと思うでしょう。
デューク大学のダン・アリエリー教授の研究によると、上司から「今日一日の仕事ぶりについてフィードバックをもらった」と言われただけで、翌日の生産性が6.3%も向上したそうです
(出典:Ariely, D. (2016). Payoff: The Hidden Logic That Shapes Our Motivations)
日々の行動を丁寧に見てもらい、良いところを言語化されることが、部下のやる気を高めるのです。
行動承認を行う3つのコツ
行動承認を効果的に行うコツは以下の3点です。
- 本人が意識していない行動にも光を当てる
- できるだけ具体的な行動を取り上げる
- 行動の結果だけでなく、プロセスも評価する
特に、部下の挑戦のプロセスを承認することが重要です。
結果が出なくても、
「新しいことにチャレンジしてくれてありがとう」
「今回の経験を次に生かしていこう」
と伝えることで、部下は安心して次の一歩を踏み出せます。
私自身、若手時代に上司から「髙木は課題に真摯に向き合い、周りを巻き込んで解決策を探る姿勢が素晴らしい」とプロセスを評価されたことで、仕事への情熱が湧いてきたことを覚えています。
リーダーの承認は、部下の可能性を開花させる大きな力となるのです。
相手の行動をよく観察する
相手の行動をよく観察し、望ましい行動を承認し続けることで、部下は自分の強みに気づき、さらなる成長への意欲を高めていきます。
結果として、組織に主体性と活力が生まれ、イノベーションが加速するでしょう。
「行動承認」は、リーダーと部下の信頼関係を深め、部下の能力を最大限に引き出すための有効な手段です。
まずは、今日から部下の良い行動を1つ見つけて、具体的に承認することからはじめてみませんか?
来月は、「成果承認」について解説します。
お楽しみに!
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