ある会議にて
先日、ある製造業の会社で月例会議に参加させていただく機会がありました。
20名ほどの社員が集まった会議室。議題は各部門が抱える課題についての意見交換です。
しかし、実際に始まってみると、発言するのは数名の管理職だけ。
そして彼らの口から出てくるのは「予算が足りない」「人手が不足している」という後ろ向きな意見ばかり。
残りのメンバーは黙って座っているだけで、建設的な提案や前向きな議論は一切起こりませんでした。
「人が多すぎる会議」が対話を殺してしまう
私は30年以上、製造業で国内外のマネジメントを経験してきました。その経験から言えることは、このような状況は決して珍しくないということです。むしろ、日本の多くの組織で日常的に起きている光景かもしれません。
でも、あなたにお聞きしたいのです。これが本当の「対話」だと思いますか?
Amazonのジェフ・ベゾスCEOは、「2ピザルール」という興味深い原則を提唱しています。
「会議の参加人数は、ピザ2枚で満足できる人数(6-8人程度)に制限する。それ以上の人数になると、コミュニケーションの効率は著しく低下する」
一見、些細なルールに思えるかもしれません。しかし、このルールには深い意味があります。
なぜ、人数が増えると発言は減っていくのか
人数が増えれば増えるほど、一人一人の「参加意識」は薄まっていきます。責任感は分散し、「誰かが言うだろう」という他人任せの姿勢が生まれやすくなるのです。
先ほどの20人の会議。実は、会議後に何人かの参加者と個別に話をする機会がありました。すると、「実は私もこう思っていた」「あんなアイデアがあったのに、言い出せなかった」という声が次々と出てきたのです。
つまり、問題は「アイデアがない」のではなく、「アイデアを言える場になっていない」ということでした。
本質的な対話が生まれる「場づくり」の4つのポイント
私たちのコーチング実践の中で、特に成果を上げている組織に共通するのは、「対話の質」にこだわっているということです。
具体的には
- 少人数での対話を基本とする
- 全員が必ず発言する機会をつくる
- 批判ではなく、建設的な提案を促す
- 「正解」を求めるのではなく、様々な視点を歓迎する
このような場づくりを意識的に行うことで、組織は驚くほど活性化していきます。
小さな変化が、大きな成果を生む
私が関わったある企業では、20人の全体会議を、5-6人の小グループでの対話に変更しただけで、提案件数が3倍に増えました。
さらに、それまで発言の少なかった若手社員からも積極的な意見が出るようになり、半年後には新規プロジェクトが2つもスタートしたのです。
あなたの組織はいかがでしょうか?
「たくさんの人を集めれば、たくさんのアイデアが出る」
これは、実は大きな誤解かもしれません。
大切なのは、一人一人が安心して発言できる場をつくること。
それは必ずしも大きな改革である必要はありません。
まずは、日常的な会議や打ち合わせの持ち方を、少し変えてみるところから始められるのです。
最後まで、読んでいただき有難うございました。
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