「アンテナ力」が拓く、成功の法則 ~トップリーダーたちの共通する習慣~

思わぬ出会いは、本当に偶然なのか?
先日、あるカフェでの出来事を思い出していました。
私がコーチングの仕事を始めて間もない頃、休憩がてら立ち寄ったカフェで偶然、以前の会社の後輩と出会いました。
彼は私の異動後に入社した社員で、直接の面識はありませんでしたが、互いの会話の中で私の前職での経験が、彼の現在直面している課題解決のヒントになることがわかったのです。
実は、私は常日頃からアンテナを張る習慣を心がけています。
新しい場所に行ってみる、見知らぬ人と会話をする、普段と違う経路で通勤してみる。
そうすることで、思いもよらない出会いや気づきが生まれるのです。
価値は積み重ねから生まれる
ピカソにまつわる有名なエピソードをご存知でしょうか?
あるとき、カフェでくつろいでいたピカソに、一人のウェイターが声をかけました。
「絵を描いてくれませんか?」ピカソは快く承諾し、紙ナプキンにさらさらと一枚の絵を描き上げます。
ウェイターが「お代はいりません」と言うと、ピカソは、急に怒りだし「この絵の価値は100万ドルだ」と返します。
驚いたウェイターが「たった30秒で描いた絵じゃないですか!」と言うと、ピカソはこう言い返したのです。
「違う。40年と30秒だ」
アンテナ力が育む価値の複利効果
このエピソードが私たちに教えてくれるのは、価値のあるものには必ず「積み重ね」があるということです。
そして、これは「アンテナを張る」ということにも通じる重要な示唆を含んでいます。
今日アンテナを張り始めれば、1年後には1年分の「気づき」が、2年後には2年分の「発見」が蓄積されます。
それは、まるで複利のように効果が重なっていくのです。
データが示すアンテナ力の重要性
アンテナを張ることは、「発想力の源」であり「アイディアの原石」を見つけることなのです。
2023年のハーバード・ビジネス・レビューの調査によると、
イノベーティブな組織のリーダーの89%が、日常的に意図的なアンテナ活動を行っているという結果が出ています。
出典:ハーバード・ビジネス・レビュー 2023年度調査
「アンテナ力」の高い人には3つの特徴があります。
1つ目は、日常の小さな変化に敏感であること。
2つ目は、異なる分野の情報を積極的に取り入れること。
そして3つ目は、得た情報を整理し、実践に活かす習慣を持っていることです。
出典:『仕事と人生がうまく回りだすアンテナ力』(三笠書房出版)
明日からできる、アンテナ力の育て方
あなたの周りにも、きっと気づきの種は転がっているはずです。
今日から、少しずつでもアンテナを張る習慣を始めてみませんか?
それは最初、とても小さな一歩かもしれません。
でも、ピカソの「40年と30秒」のように、その積み重ねが、いつか大きな価値となって実を結ぶことでしょう。
株式会社コーチ&メンタージャパン 髙木明宏