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女性管理職の可能性を拓く 〜あなたらしいリーダーシップの見つけ方〜

目次

はじめに

先日、ある女性のクライアントからこんな相談を受けました。

「高木さん、管理職の話をいただいたんですが、私にはムリだと思うんです。リーダーっぽくないし…」

彼女の目には不安の色が浮かんでいました。

一方で、同じように管理職に昇進した男性の反応は「やった!」「チャンスをもらえて嬉しい」と前向きなものが多いのです。

この違いはどこから来るのでしょうか?

データが語る日本の現状

女性管理職比率(2022年度・厚生労働省調査)

女性管理職の意識調査

  • 管理職に昇進したいと回答した 女性:32%  (男性:58%)
  • 管理職を希望しない理由:
    1. 仕事と家庭の両立が難しくなるから(43.2%)
    2. 責任の重さに自信がないから(38.7%)
    3. 自分の能力に自信がないから(35.4%)

私が日本の製造業で働いていた頃、幹部会議は常に100%男性でした。

しかし、中国赴任時には2〜3割が女性幹部、タイでは幹部職の半数以上が女性でした。

この経験から、日本企業のグローバル化の遅れを肌で感じてきました。

女性管理職の可能性を信じる

まず、あなたに伝えたいのは、「管理職に打診されたということは、あなたが管理職になる素質と可能性を持っていると会社が判断した」ということです。

今、自信がないのは当然のこと。自信は結果から生まれるものであり、経験していないことに自信を持てる人はほとんどいません。

女性がよく抱く「思い込み」について、一緒に考えてみましょう。

思い込み①:「リーダーは引っ張っていくタイプでなければならない」

必ずしもカリスマ性のあるリーダーである必要はありません。
静かに信頼関係を築き、チームの調和を重視しながら目標達成に導くリーダーシップも価値があります。
女性特有の「人間関係を大切にする」という強みを活かしましょう。

思い込み②:「部下より優秀でなければならない」

管理職の役割は、自分が全てをこなすことではなく、部下の能力を最大限に引き出し、チーム全体の成果につなげることです。
「聴く力」と「承認する力」は女性の強みであり、これこそが優れたリーダーシップの要素です。

思い込み③:「プライベートを諦めなければならない」

結婚、子育てとの両立は十分可能です。
実務は適切に部下に委任し、マネジメントに集中することで、ワークライフバランスを保つことができます。
実際、女性管理職が敬遠する理由の43.2%が「仕事と家庭の両立が難しくなるから」ですが、これは適切なサポートと環境構築によって解決可能な課題です。

男女の違いを理解する

男女の違いを理解することで、無用なストレスやイライラを減らすことができます。

  • 男性は「成果」、女性は「調和」を重視する傾向があります
  • 男性は「タテ」の関係、女性は「ヨコ」の関係を大切にします
  • 男性は「できない」と言いにくく、女性は「できない」と正直に言う傾向があります

これらの違いは、どちらが良い悪いではなく、互いを補完する強みとなり得ます。

あなた自身が女性リーダーであることを常に意識しつつ、自分らしいリーダーシップを構築していきましょう。

一歩踏み出す勇気

「未知の世界に踏み出すのは怖い」と感じるのは自然なことです。

しかし、一度経験すれば、それはあなたの「実績」となります。

次からはハードルが下がり、心理的抵抗は少なくなるでしょう。

これは意識調査で明らかになった「自分の能力に自信がないから」(35.4%)という理由に対する処方箋になります。

私も海外赴任したばかりの時は、最初は不安でいっぱいでした。

しかし、現地の女性管理職たちと協力し、彼女たちの「調和」を重視する能力と私の「成果」を重視する視点を組み合わせることで、結果を生み出すことができました。

一人の女性リーダーとして成功体験を積むことで、あなたの世界は確実に広がっていきます。

その経験は、後に続く女性たちの道標にもなるでしょう。

組織に多様性をもたらす価値

女性管理職が増えることで、組織には多様な視点がもたらされます。

実際、経済産業省の調査によれば、女性管理職比率30%以上の企業は、15%未満の企業と比較して営業利益率が平均15%高いというデータもあります。

女性の視点と感性は、組織に新たな価値をもたらすのです。

海外では当たり前になっている女性リーダーの活躍を、日本でも実現していくためには、一人ひとりの女性が勇気を持って一歩踏み出すことが重要です。

あなたは決して一人ではありません。

同じ道を歩む仲間がいることを忘れないでください。

あなたらしいリーダーシップを

「管理職になる」ということは、新しい自分を発見する旅の始まりです。

完璧である必要はありません。失敗もあるでしょう。

しかし、その経験全てがあなたの成長につながります。

今日から、「私にはできない」という思い込みを手放し、「どうすれば私らしくできるか」という視点に切り替えてみてはいかがでしょうか。

あなたらしい管理職スタイルを見つける旅に、心からのエールを送ります。

コーチ&メンタージャパン 代表 高木明宏


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この記事を書いた人

髙木 明宏のアバター 髙木 明宏 株式会社コーチ&メンタージャパン 代表取締役

製造業で30年ラインスタッフ、製造管理職、海外拠点代表を経験してきました。
タイ駐在時にコーチングを知り社内へ導入、自らトップダウン型からコーチング型マネージャーを目指し、次世代のリーダー、マネージャーたちの自発性を引き出し主体性を育て、帰国後も組織力強化の為、マネージャークラスへコーチングプログラムを実施してきました。

マネージャー達の行動の変容に手応えを感じ、自ら社会へ向けて発信していき、国内や海外駐在の日本人、リーダー、マネージャー、経営者に向けてコーチングで関わり、世の中のリーダーをより元気に主体性を持たせ日本企業の組織力を高めていくことに関わっていきたいと思います。

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