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なぜ「年上の部下」は難しいのか? 〜年上の部下を活かす2つの姿勢〜

目次

はじめに

私自身、キャリアの中で、最も印象に残っている瞬間の一つは、初めて管理職に就任した時のことです。
辞令をもらった瞬間の誇らしさと、「よし、これからはリーダーとして組織を引っ張っていくぞ」という意気込みは今でも鮮明に覚えています。しかし、その高揚感は長くは続きませんでした。

なぜなら、私の部下の約半数が自分より年上だったからです。

「髙木課長、こういうやり方の方がいいんじゃないの?」

「私たちがやってきた方法は別にあるんだけど」

年上の部下との最初のミーティングで、私の提案に対して遠回しに反対の意見が出始めました。
彼らには長年の経験から培った「やり方」があります。

そして、40歳で駆け出しの管理職だった私は、「管理職になったのだから」という思い込みから、自分のやり方を押し通そうとしていました。結果は惨憺たるものでした。チームの雰囲気は悪くなり、業績も上がらず、毎日仕事に行くのが苦痛でした。

あなたも似たような経験はありませんか?

年上の部下に指示を出す際に感じる緊張感、「若造のくせに」と思われているのではないかという不安、彼らの経験を活かせないもどかしさ。

立場と年齢のジレンマ

多くのマネージャーは、年上の部下をマネジメントする際に二つの相反する思いに揺れ動きます。

一つは「自分は管理職なのだから、リーダーシップを発揮しなければ」という思い

もう一つは「人生の先輩に対して、命令するような態度は取れない」という遠慮。

この二つの感情のジレンマに苦しむ若手管理職は少なくありません。

実は、このジレンマこそが問題解決の鍵なのです。

厚生労働省の調査によると、日本企業の20.3%で「若手上司と年上部下」の関係が発生しており、その数は年々増加傾向にあります。
(出典:令和3年度「職場のコミュニケーションに関する実態調査」厚生労働省)

「自分は上であり、自分は下である」

私が製造部門のマネジメント経験を通じて学んだ年上部下との接し方の基本スタンスは、一見矛盾するように見える二つの姿勢の両立です。

「自分は上である」と「自分は下である」

これはどういう意味でしょうか?

「自分は上である」
組織上のポジションとして自分が指示を出す役割を担っているという事実を認識することです。
これは「自分が偉い」という意味ではなく、単に「役割が違う」ということです。組織には役割分担があり、その責任を果たすことが求められています。

「自分は下である」
自分が相手より年下であり、人生経験において相手から学ぶべき点が多いという謙虚さを持つことです。
年長者の知恵や経験に対する敬意を示し、彼らが培ってきた専門知識や経験を尊重する姿勢です。

この二つのスタンスが両立していないと、指示は不適切なものになってしまいます。
「自分は上である」という意識だけが強すぎると、上から目線の指示になり、年上の部下のプライドを傷つけ、彼らの豊富な経験を活かせません。逆に「自分は下である」という意識だけが強すぎると、遠慮から必要な指示が出せず、リーダーとしての責任を果たせません。

一点だけ意識を込め、あとは任せる

生産性向上プロジェクトを任された時の経験です。チームメンバーの多くが私より年上で、技術に関する豊富な知識を持っていました。彼らは確かな技術と経験を持っていましたが、新しい生産方式への取り組みに消極的でした。

私が採用したアプローチは、「一点だけ意識を込め、あとは任せる」というものでした。

具体的には、達成すべき目標と期限だけを明確に伝え、「どうやるか」については彼らの知恵と経験に委ねました。例えば、「今月末までに生産効率を向上させる必要がある。どう思う?」と投げかけ、アイデアを引き出します。

この方法には二つの利点があります。

  1. 年上の部下の豊富な経験と知識を活かせる
  2. 彼らの自律性とプライドを尊重できる

問いかけで導く – コーチングの力

エンゲージメント調査のプロバイダーであるGallupの研究によると、マネージャーが部下に対して定期的なコーチングを行うと、チームの生産性が最大27%向上するという結果が出ています。

(出典:State of the American Manager, Gallup, 2019)

年上の部下のポテンシャルを最大限に引き出すために効果的なのが、コーチングの手法です。コーチングとは、相手に問いかけることで、自らの答えを見つけ出し、行動に移すよう促す手法です。

例えば、「どうすればより効率的になると思う?」「過去に同じような課題をどう解決した?」「理想の状態はどんなイメージ?」といった質問です。

あなたにもできる「年上の部下」との効果的な関わり方

ここで、実践的なアクションポイントを4つご紹介します。

  1. 明確な期待と目標を伝える
    何を達成すべきかを明確に伝え、「どうやるか」は彼らの知恵と経験に委ねる。
  2. 定期的な時間を設ける
    指示ではなく対話の場を作り、彼らの考えや懸念を聞く機会を持つ。
  3. 問いかけを中心にコミュニケーションする
    「どう思いますか?」「どうすれば良くなる?」といった問いかけで彼らの知恵を引き出す。
  4. 最後に大切なことは、相手への敬意と信頼を常に示すことです。
    年上の部下は、あなたが彼らの経験を尊重していると感じるとき、最も力を発揮します。

「自分は上であり、自分は下である」という一見矛盾するスタンスと、コーチング型の問いかけによるコミュニケーション。この組み合わせを実践することで、年上部下との関係は劇的に変わるでしょう。

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年上の部下をマネジメントする鍵は「自分は上であり、自分は下である」という一見矛盾する二つの姿勢を両立させること。組織上の役割として指示を出す責任を果たしながらも、年長者としての経験と知恵を尊重し、問いかけによって彼らの知恵を引き出すコーチング型コミュニケーションを実践することで、年上部下との関係は劇的に変わるということ。

ぜひあなたのマネジメントに役立てていただければ幸いです。

株式会社コーチ&メンタージャパン 
代表取締役 髙木 明宏

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この記事を書いた人

髙木 明宏のアバター 髙木 明宏 株式会社コーチ&メンタージャパン 代表取締役

製造業で30年ラインスタッフ、製造管理職、海外拠点代表を経験してきました。
タイ駐在時にコーチングを知り社内へ導入、自らトップダウン型からコーチング型マネージャーを目指し、次世代のリーダー、マネージャーたちの自発性を引き出し主体性を育て、帰国後も組織力強化の為、マネージャークラスへコーチングプログラムを実施してきました。

マネージャー達の行動の変容に手応えを感じ、自ら社会へ向けて発信していき、国内や海外駐在の日本人、リーダー、マネージャー、経営者に向けてコーチングで関わり、世の中のリーダーをより元気に主体性を持たせ日本企業の組織力を高めていくことに関わっていきたいと思います。

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