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vol.50 コーチングの今、そしてこれから 〜AI時代に求められる真リーダーシップ〜

目次

はじめに

「コーチング」という言葉が日本のビジネス界に浸透して久しくなりました。しかし、多くの経営者や管理職の方々が「コーチングとは何か?」について、まだ十分に理解されていないのが現実です。

コーチングコラム50回目を迎えた今、改めてコーチングの本質を見つめ直し、現代のビジネス環境でなぜこれほど重要視されているのか、そして未来に向けてどのような可能性を秘めているのかについて、深く掘り下げてみたいと思います。

コーチングとは何か?

真のコーチングは双方向のプロセス

多くの方が「コーチング=指導すること」と誤解されていますが、実際のコーチングは全く異なります。

コーチングとは、一方向ではなく、双方向でアイディアを出し合い、それを検討する。
行動に移すためのアイディアもまた双方向のコミュニケーションから生み出す、このプロセスそのものなのです。

つまり、コーチが一方的に答えを与えるのではなく、クライアントとコーチが対等な立場で対話を重ね、その中からクライアント自身の気づきや解決策を引き出していく。これこそがコーチングの本質です。

思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことである  

                       
ICF国際コーチング連盟の定義より

コーチの語源が示す本質

興味深いことに、「コーチ」という言葉の語源を辿ると

  • 1500年代: もともと「馬車」を示していた
  • 1840年代: オックスフォード大学で受験を受ける学生に対して個人教師を「コーチ」と呼んでいた
  • 1950年代: マネジメントの分野で触れるようになる
  • 1980年代: コーチングに関する出版物が多く登場
  • 現在: エグゼクティブコーチ、会社の研修、個人で雇う人も増加

馬車が人を目的地まで運ぶように、コーチはクライアントを目標達成まで伴走する存在。

ここに、コーチングの本質的な意味が込められています。

今求められるマネジメント革命

知識と行動のギャップを埋めるコーチング

現代のビジネスパーソンは、多くの知識やノウハウを持っています。しかし、「知っている」ことと「実際に行動する」ことの間には、深い溝(ギャップ)が存在しています。

この溝を埋めるのがコーチングです。コーチングを通じて、知識を具体的な行動に変換し、継続的な実践につなげることができるのです。

アイディアをさらに発展させるアイディア

優れたアイディアは、一人の頭の中だけでは生まれません。対話を通じて、アイディア同士が刺激し合い、より創造的で実現可能な解決策へと発展していきます。

ティーチングからコーチングへの転換

従来の「ティーチング(教える)」スタイルから「コーチング(引き出す)」スタイルへの転換が、今まさに求められています。

重要なポイント:コーチは教えてくれない、リマインドさせてくれる人

コーチの役割は、答えを教えることではありません。クライアントが既に持っている知識や経験、可能性を思い出させ、それを活用できるようにサポートすることなのです。

コーチングの基本にあるもの

なぜ話すのか? いかに聞くのか?

コーチングにおいて最も重要なスキルは「聞く」ことです。しかし、多くの人が「聞く」ということについて誤解しています。

「あなたは聞かれていない。聞くということに対する誤解」

真に「聞く」とは、相手の言葉の表面だけでなく、その背後にある感情、価値観、真の願いまで理解することです。これは単なる情報収集ではなく、相手の存在そのものを受け入れる行為なのです。

実践的なコーチングスキル

1. 不平不満の背後にあるリクエストを見つける

部下が不平不満を言うとき、多くの管理職は「また文句か」と感じがちです。しかし、コーチ的視点では、不平不満の背後には必ず「リクエスト(要求・願い)」があると考えます。

  • 「この仕事つまらない」→「もっとやりがいのある仕事がしたい」
  • 「上司が何も教えてくれない」→「適切な指導やサポートが欲しい」

コーチは、この隠れたリクエストを要求として明確にし、建設的な対話につなげます。

2. 想像的に聞く

コーチは想像力を使って聞きます。相手が言葉にしていない部分、表現しきれていない思いを想像し、それを確認する質問を投げかけます。

3. 行動を起こす質問をする

効果的な質問は、相手の思考を刺激し、自然と行動につながるものです

  • 選択の幅を広げる質問: 「他にどんな方法がありそうですか?」
  • リソースを見つける質問: 「今持っているもので活用できそうなものは?」
  • メタ・コミュニケーション: 「今の会話について、どう感じていますか?」

4. アクノレッジメント(承認)

受け入れがあって初めて人は行動する

人は批判されると防御的になり、行動を起こしにくくなります。しかし、まず存在や努力を承認されることで、安心して新しい挑戦に向かうことができます。

5. ゴール(最終目標)の先にあるものを見る

表面的な目標の達成だけでなく、その目標を達成することで得られる本当の価値、その人の人生にとっての意味まで見据えることが重要です。

コーチングの今、そしてこれから

現在のコーチング業界の動向

今の時代、AIでのコーチングや、チームコーチングが広まりを見せています。テクノロジーの進歩により、コーチングツールも多様化し、より多くの人がコーチングにアクセスできるようになりました。

AIコーチングの可能性と限界

AI技術の発達により、基本的なコーチング手法をAIが提供することも可能になってきました。しかし、人間の感情の微細な変化を読み取り、その場の空気感を察知し、相手の魂に触れるような深い対話は、まだAIには困難です。

チームコーチングの重要性

個人へのコーチングだけでなく、チーム全体の関係性やコミュニケーションを向上させるチームコーチングの需要も高まっています。組織の心理的安全性を高め、集合知を活用するために不可欠なアプローチです。

未来へのメッセージ

技術がいくら進歩しても、最終的にはコーチ自身に委ねられると私は考えています。

なぜなら、コーチングの本質は技術やツールではなく、「人と人との真摯な関わり合い」にあるからです。相手を一人の人間として尊重し、その可能性を信じ、共に歩んでいく姿勢こそが、真のコーチングを生み出します。AI時代だからこそ、人間らしい温かさ、共感力、直感力を持ったコーチの価値がより一層高まるでしょう。

コーチングの歴史は500年、そしてこれからの未来も、人と人とのつながりの中で発展していきます。

あなたも、この素晴らしいコーチングの世界の一部となって、関わる人々の「可能性」を引き出してみませんか?


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この記事を書いた人

髙木 明宏のアバター 髙木 明宏 株式会社コーチ&メンタージャパン 代表取締役

製造業で30年ラインスタッフ、製造管理職、海外拠点代表を経験してきました。
タイ駐在時にコーチングを知り社内へ導入、自らトップダウン型からコーチング型マネージャーを目指し、次世代のリーダー、マネージャーたちの自発性を引き出し主体性を育て、帰国後も組織力強化の為、マネージャークラスへコーチングプログラムを実施してきました。

マネージャー達の行動の変容に手応えを感じ、自ら社会へ向けて発信していき、国内や海外駐在の日本人、リーダー、マネージャー、経営者に向けてコーチングで関わり、世の中のリーダーをより元気に主体性を持たせ日本企業の組織力を高めていくことに関わっていきたいと思います。

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