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vol.52 アドラー流「心をリセットする」~今のままでできることから~

目次

はじめに

今のシーズンは雨の日が多いですね。天気に晴れや雨があるように、私たちの人生にも「晴れの日」と「雨の日」があります。晴れの日は何をやってもうまくいき、成功が続きます。一方、雨の日は失敗続きで、クヨクヨと落ち込んでしまうことも多いでしょう。

特に経営者や管理職の皆様は、組織を背負う責任の重さから、雨の日の影響をより深刻に受けがちです。
しかし、心理学者アドラーは言います。

「人生が困難なのではない。あなたが人生を困難にしているのだ。人生は極めてシンプルである」と。

今日は、この「心をリセットする」方法について、アドラー心理学の視点から具体的にお話しします。

なぜ私たちは人生を複雑にしてしまうのか

多くのリーダーが陥る罠があります。それは「完璧を求めすぎること」「すべてをコントロールしようとすること」です。

仕事で失敗したり、部下に裏切られたり、大切な人材が離れていったり、想定外の出費が重なったり、取引先との関係がうまくいかなかったり。

まさに「土砂降りの雨」のような状況に直面することがあります。

このような時、私たちは無意識に「なぜこんなことが起こるのか」「どうして自分だけが」と考えがちです。しかし、この思考パターンこそが、シンプルな人生を複雑にしている原因なのです。

アドラー心理学では、これを「原因論」から「目的論」への転換と呼びます。過去の原因を探すのではなく、「今、この状況をどう活用できるか」に焦点を当てるのです。

アドラー流「心をリセットする」実践方法

1. 「雨の日の恵み」を見つける思考リセット

子供の頃を思い出してください。「あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかい うれしいな」という歌がありましたね。雨が降るからこそ、母さんが迎えに来てくれる。晴れていたら、母さんは迎えに来てくれません。

ビジネスでも同じです。順調な時には見えなかった「気づき」や「チャンス」が、困難な状況だからこそ見えてくることがあります。

具体的な実践方法

  • 困難な状況に直面した時、まず深呼吸をして心をリセット
  • 「この状況から何を学べるか?」と問いかける
  • 「この経験が将来どう活かせるか?」を考える
  • 「この状況だからこそ得られるものは何か?」を探す

2. 「今のままでできること」に思考を集中リセット

アドラー心理学の核心は「課題の分離」です。自分でコントロールできることと、できないことを明確に分けることです。

多くの経営者が悩む「部下のモチベーション」を例に取ると、部下の気持ちを直接変えることはできません。しかし、部下が働きやすい環境を整えることや、適切なコミュニケーションを取ることは可能です。

リセットのステップ

  1. 現在の困難を「自分でコントロールできること」と「できないこと」に分ける
  2. コントロールできないことへの執着をリセット
  3. コントロールできることに100%のエネルギーを注ぐ

3. 小さな行動から始める「段階的リセット法」

心をリセットするのも、コンピューターのリセットと同じで、一気に変えようとすると不具合が起こりがちです。今のままの自分でできる小さなことから始めることが重要です。

例えば、

  • 朝一番に「今日良いことを3つ見つけよう」と心をリセット
  • 困難な状況を「チャレンジ」として捉え直す言葉に変える
  • 失敗を「貴重なデータ収集」として記録し、ネガティブな感情をリセット

4. 「質問パターン」をリセットする

問題が起きた時の質問を変えてみましょう

「なぜこんなことが起きたのか?」

「この状況を最大限活用するには?」


「誰が悪いのか?」

「この経験から何を学べるか?」


「どうして自分だけが?」

「この状況だからこそできることは?」

この質問パターンのリセットだけで、思考は劇的に変わります。

5. 「相合傘効果」で組織の関係性をリセット

雨が降るから相合傘ができるように、困難な状況だからこそ生まれる協力関係があります。

組織運営でも、順調な時には見えなかったチームワークや、新しいアイデア、イノベーションが困難な状況から生まれることがよくあります。困難を「チーム結束のチャンス」として捉え直すことで、組織の関係性をポジティブにリセットできます。

心をリセットすることで得られるメリット

 1. ストレス耐性の向上

物事を「困難」ではなく「機会」として捉えることで、精神的な負担が大幅に軽減されます。

2. 組織の結束力強化

リーダーが前向きな視点にリセットすることで、チーム全体の雰囲気が改善され、困難な時期でも結束力が高まります。

3. 創造的問題解決能力の向上

「今ある資源で何ができるか」に焦点をリセットすることで、革新的なアイデアが生まれやすくなります。

4. 持続可能な成長

無理をしない「今のままでできること」から始めるため、長期的な改善が期待できます。

シンプルな人生へ

アドラーが言うように、人生は本来シンプルです。私たちが複雑にしているだけなのです。

雨の日があるからこそ、晴れの日の尊さがわかります。困難があるからこそ、成功の喜びが深まります。そして何より、雨の日にしか味わえない特別な体験があるのです。

明日から、いえ、今日から始めてみてください。困難な状況に直面した時、まず「この中で何かいいことはないか?」と問いかけて心をリセットしてみる。この小さな習慣が、あなたの人生を劇的にシンプルで豊かなものに変えていくでしょう。

「今のままでできること」から始める心のリセット。その第一歩を、今踏み出してみませんか?

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この記事を書いた人

髙木 明宏のアバター 髙木 明宏 株式会社コーチ&メンタージャパン 代表取締役

製造業で30年ラインスタッフ、製造管理職、海外拠点代表を経験してきました。
タイ駐在時にコーチングを知り社内へ導入、自らトップダウン型からコーチング型マネージャーを目指し、次世代のリーダー、マネージャーたちの自発性を引き出し主体性を育て、帰国後も組織力強化の為、マネージャークラスへコーチングプログラムを実施してきました。

マネージャー達の行動の変容に手応えを感じ、自ら社会へ向けて発信していき、国内や海外駐在の日本人、リーダー、マネージャー、経営者に向けてコーチングで関わり、世の中のリーダーをより元気に主体性を持たせ日本企業の組織力を高めていくことに関わっていきたいと思います。

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