vol.77 前進するための「振り返り」〜エバリュエーション〜

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忙しいリーダーほど、立ち止まる時間が必要

皆さん、毎日忙しいですか?

目の前の課題対応、業務調整、計画策定…やるべきことが山積みで、一日があっという間に過ぎていく。

「振り返りなんてしている暇はない」 「前を向いて進むことの方が大事だ」

そう思われるかもしれません。

でも、だからこそ、私は、 忙しいリーダーだからこそ、立ち止まって振り返る時間が必要だと。

コーチングでの「エバリュエーション」とは

コーチングでは、セッションの最後や半年、一年といった区切りのタイミングで必ず「エバリュエーション(振り返り)」を行います。

エバリュエーションとは、単なる反省会ではありません。

 「今、どこにいるのか」を確認し、「何が機能したのか」を明らかにし、「次にどこへ向かうのか」を明確にするプロセスです。

私自身マネジメント経験を通して実感してきました。前に進むためには、立ち止まって振り返る時間が不可欠だと。定期的な振り返りの習慣が、確実な前進につながるのです。

日々の小さな変化は、気づきにくい

あなたは、この半年でどれだけ成長しましたか?

こう聞かれて、すぐに答えられる方は少ないかもしれません。なぜなら、日々の小さな変化は、本当に気づきにくいからです。

毎日必死に目の前の課題に向き合っていると、自分がどれだけ前進し、成長しているのか見えなくなってしまいます。気がつけば時間だけが過ぎ、「この期間で何をやったんだっけ?」と曖昧な記憶しか残っていない…

でも、振り返りの時間を取ると、驚くほど多くのことに気づけます。

「あの難しい交渉を乗り越えた」 「部下が大きく成長してくれた」 「新しいプロジェクトを立ち上げた」

そして何より、自分自身がどう変化したのかが見えてきます。

振り返りは、次への道筋を照らす

コーチングセッションで、私はクライアントと必ず振り返りを行います。すると、多くの方がこう言われます。

「こんなに進んでいたんですね」 「気づかないうちに、こんなに変わっていたんですね」

振り返りを通じて、「何が機能したか」「何が効果的だったか」が明確になります。それは、次への道筋を照らす光になるのです。

また、振り返りは「期待値」と「実際」のギャップを早期に発見する機会でもあります。そのギャップに気づくことで、早めに軌道修正ができます。

振り返りは、単なる過去の確認ではなく、前進するための位置確認であり、ギャップ修正であり、気づきのための重要なプロセスなのです。

効果的なエバリュエーションのポイント

ただし、振り返りにもコツがあります。コーチングで実践している「効果的なエバリュエーションのポイント」をお伝えします。

ポイント1: 事実ベースで振り返る

振り返りの際、多くの方が陥りがちなのが、感想や憶測だけで振り返ってしまうことです。

「頑張ったと思う」 「うまくいったつもり」 「たぶん成果が出た」

これらは、あくまで感想や憶測です。効果的な振り返りには、事実が必要です。

仕事であれば: 「新規顧客を10社獲得した」 「プロジェクトを期限内に完了させた」

プライベートであれば: 「週3回ジョギングを続けた」 「読書を月5冊達成した」

このように、事実なのか、憶測なのかを区別することが大切です。事実に基づいて振り返ることで、何が本当に機能したのか、何が課題だったのかが明確になります。

ポイント2: 評価の順序が重要

もう一つ、とても重要なポイントがあります。それは、評価の順序です。

多くの組織では、上司が先に評価を伝え、その後に本人が自己評価をする流れが一般的です。しかし、コーチングでは、この順序を逆にします。

ステップ1: まず、自己評価を聞く 「あなた自身は、この期間をどう評価していますか?」

ステップ2: 次に、他者評価を伝える 「私から見ると、こう見えていました」

ステップ3: 多面的にエバリュエーションする 自己評価と他者評価の両方を見ながら、多角的に振り返る

なぜ、この順序が大切なのか?

先に他者評価を聞いてしまうと、本人は無意識にそれに引っ張られてしまいます。まず自分自身の評価を言語化することで、自分の成長や変化を、自分の言葉で認識することができるのです。

自分自身への問いかけ

では、具体的にどのように振り返りを行えばよいのでしょうか?

私がお勧めするのは、自分自身に問いかけることです。例えば、こんな質問を自分に投げかけてみてください:

この期間を振り返って(事実ベースで):

  • 達成したことは何ですか?(具体的な数字や成果)
  • 乗り越えた課題は何ですか?
  • 新しくできるようになったことは何ですか?
  • 何が最もうまく機能しましたか?

自己評価として:

  • この期間の自分に、100点満点で何点をつけますか?
  • 最も誇りに思えることは何ですか?

次の期間に向けて:

  • 本当に手に入れたいもの(Want to)は何ですか?
  • うまくいったことで、何を続けますか?
  • 何を変えますか?何を新しく始めますか?

これらの問いに、ゆっくりと向き合ってみてください。答えをノートに書き出してみるのも効果的です。

そして、「〜と思う」「〜したつもり」ではなく、できるだけ具体的な事実を書き出すことを意識してみてください。

部下との振り返りも忘れずに

部下やチームメンバーとの1on1でも、定期的に振り返りの時間を取ってください。

その際、ぜひ「評価の順序」を意識してみてください。

まず、部下に自己評価を聞く。 「この期間、自分自身をどう評価していますか?」

その後に、あなたからの評価を伝える。 「私から見ると、こう見えていました」

この順序を守ることで、部下は自分の成長を自分の言葉で認識し、あなたからの評価をより深く受け取ることができます。振り返りは、信頼関係を深め、チーム全体の主体性を高める機会にもなるのです。

立ち止まることは、前進すること

忙しい日々の中で、立ち止まることは勇気がいります。

でも、立ち止まって振り返ることは、決して時間の無駄ではありません。 むしろ、確実に前進するための、最も重要なプロセスなのです。

私はコーチとして、多くの経営者やリーダーと向き合ってきました。そして、確信を持って言えます。

振り返りの時間を取る人は、確実に前に進んでいきます。

ぜひ、30分でも1時間でも、自分自身と向き合う時間を取ってみてください。

この期間のあなたを、事実ベースで振り返る。 まず自分で評価し、そして多面的に見つめる。 そして、次の期間のあなたを描く。

その時間が、あなたをさらに大きく成長させる第一歩になるはずです。

あなたは、この期間で何を成し遂げましたか? 次の期間、どんな自分でありたいですか?

ぜひ、その答えを見つけてみてください。


株式会社コーチ&メンタージャパン 髙木明宏

【参考】  国際コーチング連盟(ICF)「コーチングの定義」


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